講師と生徒の距離感が塾を左右する

塾を運営する上で、講師と生徒の関係性は極めて重要なポイントです。中でも、大学生講師を多く抱える教室においては、この距離感のバランスが教室の雰囲気や学習成果に直結することを、私たち教室長は理解しておく必要があります。

大学生講師と生徒の“近すぎる関係”

大学生講師は生徒と年齢が近いため、心理的な距離が縮まりやすいという特徴があります。これは一見、良いことのように思えるかもしれません。生徒とのコミュニケーションが取りやすくなり、信頼関係も築きやすいからです。

しかし、それが「友達のような関係」に発展してしまうと、指導の質に悪影響を及ぼすことがあります。たとえば、あなたが中学生だったとして、年の近い友達のような人から「宿題のやり方が甘い」などとお小言を言われたとしたら、素直に受け入れるでしょうか?おそらく聞き流してしまうのではないでしょうか。

講師と生徒の関係は、あくまで「師弟関係」であるべきです。その線引きをきちんとすることが、学習効果を最大化する鍵になります。

中年教室長が感じる“絶妙な距離感”

私は中年の教室長です。年齢が生徒よりも大きく離れている分、自然と一定の心理的距離を保つことができます。その距離感があるからこそ、生徒も私の言葉に耳を傾けてくれますし、私も毅然とした態度で指導ができます。

ところが、大学生講師の場合、この「距離感のコントロール」が難しいのです。フランクに接しすぎてしまったり、生徒に合わせすぎたりしてしまう。結果として、教えるべきことが教えられなくなる場面が多々見受けられます。

教室長の重要な役割とは?

ここで、教室長であるあなたの出番です。大学生講師が陥りがちな“近すぎる関係”を防ぎ、講師としての立ち位置をしっかりと意識させる。それがあなたの指導力の見せ所です。

具体的には、以下のような視点を持って指導してみてください。

  • 生徒との関係における“線引き”の大切さを伝える
  • なれ合いではなく、尊敬を得る関わり方を具体的に指導する
  • 雑談と指導の切り替えを明確にさせる
  • 生徒からの「先生すごい!」という感覚を意識的に作らせる

これらを実行することで、大学生講師の接し方が徐々に変わってきます。結果として、生徒の学習に対する姿勢も良くなり、成績の向上につながっていきます。

成績向上に最も適した関係性とは?

最終的に私たちが目指すのは、生徒一人ひとりの成績向上と志望校合格です。そのためには、「信頼」と「緊張感」がほどよく混ざった関係性が理想的です。生徒が講師を信頼しつつ、適度な緊張感を持って授業に臨む──これが最も効果の高い学習環境だと私は考えています。

その環境を整えるのは、教室長であるあなたの役割です。大学生講師が自然と“先生”としての立ち位置を理解し、生徒との適切な距離感を保てるようになる。これが実現できたとき、教室の空気はガラリと変わり、結果として「伸びる塾」へと変貌を遂げます。

ぜひ、今日から大学生講師との関わり方を見直し、講師と生徒の関係性づくりに一歩踏み込んでみてください。それが教室の未来を左右する、重要な一手になるはずです。

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