「服装なんて関係ない」は本当か? 〜教室長にこそ求められる“身だしなみ”の視点〜

塾業界、とくに集団指導型の塾で働く社員の多くは、ファッションにあまり頓着しない傾向があります。

スーツは色あせていたり、ワイシャツはくたびれて黄ばんでいたり。中には、ネクタイの色味がちぐはぐで「それ、なぜ選んだ?」と思わず心の中でツッコミたくなるような方もいます。

別に、みんながファッション雑誌のモデルのようになる必要はありません。
ですが、最低限の清潔感や「人からどう見られるか」という意識は、教室長という立場においては欠かせない要素だと私は思います。


塾のお客様は“見る目”を持っている

塾のターゲット層を考えてみましょう。

多くの塾、特に中学受験や高校受験を扱う塾の場合、お客様である保護者の多くは、経済的にある程度の余裕がある家庭です。そして、企業の管理職や専門職、士業、自営業など、社会的な地位のある方々が少なくありません

そういった方々は、職業柄「人を見る目」が自然と鍛えられているケースが多いです。特に初対面での第一印象、言葉遣いや身だしなみ、立ち居振る舞いから相手の“中身”をある程度判断するスキルを持っています。

そして厳しいようですが、服装ひとつでもその人の仕事観や生活姿勢が見えてしまうのです。


「服装で何が分かるんだ」という人へ

もしかすると、「見た目なんかで判断されるのは心外だ」と感じる方もいるかもしれません。
たしかに、教育の本質は中身です。指導力や人間力こそが塾人の価値であることは間違いありません。

しかし、服装を軽視している人に対して、周囲が受け取るメッセージはこうです。

  • 服に無頓着 → 自分への管理も甘い?
  • シャツがヨレヨレ → 忙しさにかまけて準備を怠るタイプ?
  • スーツにシワ → 細かい気配りが苦手?

こういった印象は、教室長としての信頼感や説得力を損ねる要因にもなりかねません。

つまり「服装で何が分かるか?」ではなく、「服装から何が伝わってしまうか?」が大事なのです。


せめて“シワ”くらいは取りましょう

見た目を急に洗練させる必要はありません。
でも、ワイシャツやスーツがシワだらけというのは、非常にもったいないです。

それだけで「だらしない人」「雑な人」というレッテルを貼られてしまう可能性があります。
せめて、シャツとスーツはアイロンがけされている、もしくはクリーニングに出された清潔なものを身につける
これだけでも、印象はまったく変わってきます。


服装を整えると、心が整う

不思議なことに、身だしなみを整えると周囲の見る目が変わるだけでなく、自分自身の気持ちも引き締まってくるものです。

ピシッとした服を着ていると、「今日もやるぞ」というスイッチが入ります。
保護者対応の際も、少し自信を持って話せるようになる。
講師に対しても「背中で示す」姿勢が自然とできるようになる。

服装という“外見”を整えることは、実は内面に働きかける手段のひとつでもあるのです。


教室運営は「信頼の蓄積」

私たちの仕事は、目の前の生徒だけでなく、そのご家庭からも信頼をいただいて成り立っています。

だからこそ、何気ない立ち居振る舞いや、服装ひとつが信頼の蓄積につながるということを、教室長という立場では意識しておくべきです。

明日から、ぜひ「スーツのシワ」にだけでも目を向けてみてください。
そしてもし余裕があれば、ネクタイの色やシャツの選び方にも少し気を配ってみる。

きっと、保護者や講師、生徒たちからの目線が、少しずつ変わってくるのを感じるはずです。
そして、その変化が自信につながり、教室全体の空気感にもいい影響を与えるはずです。


「ダサくても仕事はできる」と思うかもしれません。
でも、「信頼される教室長」は、“見た目”にも少しだけ気を使っているものです。

まずはシワのないシャツと、きちんとプレスされたスーツから。
それが、今日から始められる“信頼される塾づくり”の第一歩です。

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